「ChatGPTに自社のことを聞いても名前が出てこない」
「AIが自社を間違って説明している」
このように感じていても、どこから手を付ければよいか分からない方は多いのではないでしょうか。AIO対策を成果につなげるには、施策を始める前に、まず現状を正しく把握することが欠かせません。
本記事では、AIO診断の定義と確認する5つの段階、診断の種類、事前準備、具体的な進め方、結果の活かし方までをわかりやすく解説します。
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AIO診断とは

AIO診断とは、AI回答に社名が出た回数を数えるだけの調査ではなく、AIとの接点全体からボトルネックを特定する総合診断です。ここではまず、次の内容を整理します。
- AIO診断とは
- 診断で確認する5つの段階
- LLMO診断・GEO診断・SEO診断との違い
- AIO診断が必要とされる背景
最初に定義と5つの段階を押さえておくと、診断の種類や進め方の解説を、自社の状況に当てはめながら迷わず読み進められます。
AIに関する自社の課題を5つの段階から特定する総合診断
AIO診断とは、AIが自社の情報を見つけ、理解し、回答の中で引用・推薦し、最終的にWebサイトへの流入や問い合わせにつながるまでの状況を確認する診断です。単に「ChatGPTに自社名が表示されるか」を調べるだけではなく、AIとの接点全体を確認する点がAIO診断の特徴です。
そもそもAIOとは、生成AIやAI検索に自社の情報を適切に発見・理解してもらい、回答内での引用・推薦や、その先の流入・問い合わせにつなげるための最適化を意味します。AIOの中に、LLMOやGEOといったAI対策が含まれるイメージです。
AIO対策では、まず、「情報の発見」「回答材料の充足」「理解」「引用・推薦」「流入・問い合わせ」の5つの段階に分けて確認します。
たとえば、AIに自社を正しく説明してもらえていない場合でも、原因が「そもそも情報を取得できていない」のか、「必要な情報がサイトに不足している」のかによって、取るべき対策も変わります。
AIO診断の目的は、こうした5つの段階のうち、どこに問題があるのかを特定し、改善すべき箇所と対策の優先順位を明確にすることです。
AIO診断で確認する5つの段階
AIO診断では、次の5つの段階を順番に確認します。
- 発見:AIやクローラーがサイトの情報へ到達できるか
- 回答材料の充足:回答の材料となる情報が公開されているか
- 理解:企業・サービスが正しい内容で認識されているか
- 引用・推薦:AI回答に情報源・選択肢として採用されているか
- 流入・問い合わせ:AI経由の訪問や行動が成果へつながっているか
①と②は、AIに扱われるための土台が整っているかを確認する段階です。ここに問題があると、どれだけ発信を強化してもAIの回答には反映されにくくなります。
③と④では、AI回答上での実際の扱われ方を確認し、⑤では露出が訪問や問い合わせという成果につながっているかを計測します。
この5段階は、本記事を通じて診断の種類や進め方を整理する共通の枠組みとして使うため、まずは流れを押さえておきましょう。
LLMO診断・GEO診断との違い|AIOの中にLLMOやGEOが位置づけられる
当社では、AIOを上位概念とし、LLMOやGEOはその中に含まれるものと定義しています。AIO診断が5つの段階を横断して全体の課題を確認するのに対し、LLMO診断とGEO診断は、対象とするAIサービスや重視する成果に応じて詳しく調べる個別診断です。
LLMO診断では、ChatGPT・Claude・GeminiなどのLLMを対象に、自社やサービスの情報が正しく理解・参照され、回答の中で言及・推薦されているかを確認します。
一方、GEO診断では、Google AI Overviews・Perplexity・ChatGPT Searchなどの生成AI検索を対象に、自社サイトや情報が回答内で引用・掲載され、サイトへの流入につながっているかを確認します。
両者は一部重なりますが、対象とするAIサービスと重視する成果が異なります。
なお、AIO・LLMO・GEOの使い方には統一された基準がなく、会社やメディアによっては3つをほぼ同じ意味で扱う場合もあります。そのため、本記事で紹介する位置づけは、あくまで当社独自の定義としてご覧ください。
<H3>SEO診断との違い|検索順位ではなくAI回答での扱われ方を確認する</H3>
SEO診断とAIO診断の違いは、評価の目的にあります。SEO診断が検索エンジンでの順位・クリック・流入を評価するのに対し、AIO診断が評価するのは、生成AIの回答の中で自社がどう説明・引用・推薦されるかという点です。
クロール設定や構造化データなど、確認する項目は一部重なります。しかし、目的が異なるため、SEO診断の結果が良好でも、AI回答では事業内容が誤って説明されていたり、比較質問で名前が挙がらなかったりする課題が残る場合があるのです。
両者は対立するものではなく、検索とAIの両方から見つけてもらうために併用する関係にあります。すでにSEOへ取り組んでいる企業こそ、AIO診断で現状を確認してみましょう。
<H3>AIO診断が必要とされる背景|AI検索の普及とゼロクリックの増加</H3>
AIO診断が必要とされるようになったのは、情報収集の方法が変化したからです。
昨今、ChatGPTやGoogleのAI Overviewなどが普及し、検索結果からWebサイトを訪れなくても、AIの回答だけで知りたい情報を得られる場面が増えてきました。
実際に、GoogleのAI Overviewsは、月間アクティブユーザーが25億人を突破しています。
| AI Overviews now has over 2.5 billion monthly active users, while AI Mode has surpassed one billion monthly users. 出典:Google|New opportunities, control and insights for website owners |
検索順位やサイトへのアクセスだけを確認していても、自社がAI上でどのように紹介されているかまでは把握できません。実際には、企業情報が誤って説明されていたり、比較候補として挙げられていなかったりしても、気付かないまま機会損失が生じる可能性があります。
こうした課題を見つけるためには、施策を始める前にAI上での自社の現状を確認することが重要です。
AIO診断の種類

AIO診断とひと口に言っても、確認する段階によって診断の内容はさまざまです。ここでは、5つの段階に対応する診断と横断的に行う診断の、計6種類を紹介します。
- サイト構造診断(発見)
- コンテンツ診断(回答材料の充足)
- LLMO診断(理解・参照)
- GEO診断(生成AI検索での引用・掲載)
- AI流入・成果診断(流入・問い合わせ)
- 競合比較診断(全段階を横断)
各診断で「わかること」と「わからないこと」を押さえておくと、自社の目的に合う診断を選べます。
サイト構造診断|AIがサイト情報へ到達できる状態かを確認する
サイト構造診断では、AIや検索エンジンのクローラーがサイト内の情報を取得できる状態になっているかを確認します。主な対象は、クロール許可設定や構造化データ、メタ情報、サイト構造などです。
URLを入力するだけで利用できる無料の自動診断も多く、登録不要で短時間に結果を確認できるサービスもあります。たとえば、技術的な問題がないかを確認したい場合などに利用しやすい方法です。
ただし、ここでわかるのは「AIが情報へアクセスできるか」という点までです。AIが自社を正しく理解しているか、実際の回答で引用・推薦しているかは、別の診断で確認する必要があります。
コンテンツ診断|AIの回答材料となる情報が足りているかを確認する
コンテンツ診断では、AIが自社について回答するために必要な情報が、Webサイト上に十分公開されているかを確認します。会社概要やサービス内容、料金、実績、FAQ、人物情報などが主な対象で、「回答材料の充足」にあたります。
ここでは単に情報が掲載されているかを見るだけではありません。質問に対して答えが見つけやすい構成になっているか、独自データや一次情報が含まれているか、情報が適切に更新されているかといった内容面も確認します。
企業側では当たり前と思っている情報でも、Web上に公開されていなければAIは回答材料として利用できません。そのため、コンテンツ診断は、社内にある情報とWeb上に公開されている情報の差を見つける機会にもなります。
LLMO診断|LLMが企業・サービスをどう理解・参照しているかを確認する
LLMO診断では、ChatGPT・Claude・GeminiなどのLLMへ実際に質問し、自社やサービスがどのように理解・参照されているかを確認します。名称や事業内容、特徴、対象顧客などについてAIの回答と公式情報を照らし合わせるとともに、回答内での言及や推薦のされ方も確認します。
AI回答に社名が表示されていても、内容まで正しいとは限りません。事業内容が古かったり、対象顧客が誤っていたり、別企業の情報が混ざっていたりする場合もあります。
そのためLLMO診断では、単に「AI回答に自社が出るか」だけでなく、「どのような企業として認識され、どの情報が参照されているか」まで確認します。AIO診断が全体を広く確認するのに対し、LLMO診断はLLMによる理解・参照の状態を詳しく調べる診断です。
LLMO診断の具体的な確認項目や進め方について詳しく知りたい方は、LLMO診断の記事もあわせてご覧ください。
LLMO診断チェックリスト50項目!自分でできるやり方と診断後の改善策
GEO診断|生成AI検索で引用・掲載されているかを確認する
GEO診断では、Google AI Overviews・Perplexity・ChatGPT Searchなどの生成AI検索において、自社サイトや情報が回答内で引用・掲載されているかを確認します。引用元となったページや掲載内容、そこからサイトへの流入が発生しているかなどが主な確認項目です。
ただし、生成AIの回答は常に同じになるわけではありません。利用するAIサービスやモデル、質問するタイミングによっても結果が変わるため、1回の回答だけで評価するのは避けたほうがよいでしょう。
複数回の結果から言及率や引用率の傾向を確認するとともに、競合企業や引用元となっているメディアも調べます。そうすることで、自社コンテンツの改善や外部メディアでの露出強化につながるヒントを得られます。
AI流入・成果診断|AI経由のアクセス・問い合わせを計測する
AI流入・成果診断では、GA4などのアクセス解析ツールを使い、ChatGPTをはじめとするAIサービスからどれだけユーザーが訪れているかを確認します。
確認するのはアクセス数だけではありません。AI経由で訪れたユーザーがどのページを閲覧し、その後問い合わせや資料請求につながったかまで追うことで、AIO対策が実際の成果に結び付いているかを評価できます。
一方、AIサービスからのアクセスは参照元が正しく取得できない場合もあり、すべての流入を完全に計測できるわけではありません。GA4などで確認できる数値は、AI経由の流入全体の一部である可能性も踏まえて評価する必要があります。
競合比較診断|競合との言及率・説明のされ方の差を確認する
競合比較診断では、同じ質問を使って自社と競合企業のAI回答を比較します。言及される頻度や推薦される順番、説明される内容などを比べ、市場の中で自社がどのような位置にいるかを確認する診断です。
自社の結果だけを見ても、言及率が高いのか低いのかは判断しにくいでしょう。競合と比較することで、「自社だけが候補に入っていない」「競合のほうが特定の強みで認識されている」といった差が見えるようになります。
さらに、競合がどのような理由で推薦されているかを調べれば、自社に不足している情報や訴求ポイントも把握できます。現状の評価だけでなく、今後どこを優先して改善するかを決めるためにも役立つ診断です。
AIO診断する際の事前準備

AIO診断の精度は、質問やツールの操作よりも前の「準備」で決まります。目的が曖昧なまま診断すると、結果を改善へつなげられません。ここでは、次の5つの準備を順番に解説します。
- 診断の目的と確認したい段階を決める
- 診断対象とする企業・サービス・ブランドの範囲を決める
- 公式情報から「正解データ」を整理する
- 使用するAI・モデル・検索設定・質問リストを決める
- 現状の流入データ・計測環境を整えておく
この順番で準備しておくと、診断後の判定と改善がスムーズに進みます。
診断の目的と確認したい段階を決める
最初に行う準備は、診断の目的を言語化することです。「AI回答に誤情報がないか確かめたい」「比較質問で推薦されたい」「AI経由の問い合わせを増やしたい」など、診断で明らかにしたいことを先に書き出し、重点的に確認する段階を決めます。
目的と段階、優先する診断の対応は次のとおりです。
| 診断の目的(例) | 重点的に確認する段階 | 優先する診断 |
|---|---|---|
| AIに見つけてもらえる状態か知りたい | 発見/回答材料の充足 | サイト構造診断・コンテンツ診断 |
| 誤情報がないか確かめたい | 理解 | LLMO診断 |
| 比較質問で推薦されたい | 引用・推薦 | GEO診断 |
| AI経由の問い合わせを増やしたい | 流入・問い合わせ | AI流入・成果診断 |
| 競合との差を知りたい | 全段階を横断 | 競合比較診断 |
目的が曖昧なまま診断すると、結果を見ても次の行動を決められません。あわせて、診断結果を報告する相手と、その結果で判断したいことまで決めておくと、集計やレポートの粒度を設計しやすくなります。
診断対象とする企業・サービス・ブランドの範囲を決める
まず、AIO診断で何を対象にするかを決めます。会社全体を見るのか、特定のサービスやブランドまで確認するのかによって、用意する質問や評価する内容が変わるためです。
複数のサービスを展開している企業では、会社そのものの認識と、各サービスの認識を分けて確認するとわかりやすくなります。同名や似た名称の企業・サービスがある場合は、AIが別の情報と混同していないかも確認しておきましょう。
対象が多い場合は、最初からすべてを診断する必要はありません。売上への影響が大きい主力サービスなどから始め、必要に応じて対象を広げるほうが、診断や改善を継続しやすくなります。
公式情報から「正解データ」を整理する
次に、AIの回答が正しいかどうかを判断するための基準を用意します。これが「正解データ」です。自社サイトの会社概要やサービスページ、料金ページ、導入事例などをもとに、現在の正しい情報を整理します。
整理する項目の例は次のとおりです。
- 正式名称・略称
- 事業内容
- サービスと主な機能
- 対象顧客
- 料金
- 実績
- 代表者・監修者
- 関係会社
それぞれの項目には、根拠となるURLと確認日をあわせて残しておくと、判定時や再診断時に迷いません。
なお、社内資料と公開情報で内容が食い違っている場合は、AI回答を判定する前に公式情報側の整理・更新が必要です。正解データ作りは診断の準備であると同時に、自社情報の棚卸しの機会にもなります。
使用するAI・モデル・検索設定・質問リストを決める
AIO診断では、どのAIをどの条件で調べるかも事前に決めておきます。同じ質問でも、利用するAIやモデル、Web検索機能の有無などによって回答が変わるためです。
対象とするAIは、見込み顧客が利用する可能性の高いものから2〜3種類程度を選ぶとよいでしょう。質問についても、「〇〇はどんな会社ですか」と直接尋ねるものだけでは不十分です。「〇〇に強い会社は?」「おすすめの〇〇サービスは?」といった質問も加え、自社がどのような場面で回答に登場するかを確認します。
使用したAIやモデル、質問文、実行回数などは記録しておきましょう。再診断でも同じ条件を使えば、施策の前後で結果がどのように変化したかを比較できます。
現状の流入データ・計測環境を整えておく
診断を始める前に、AI経由のアクセスを確認できる環境も整えておきます。GA4では参照元別の流入を確認できるため、ChatGPTなどのAIサービスからどれだけユーザーが訪れているかを把握できます。
あわせて、診断前のAI経由のアクセス数や流入先ページ、問い合わせ数などを記録しておきましょう。施策を行った後に同じ数値を確認すれば、AIO対策によってどのような変化があったかを比較できます。
事前の数値を残していないと、アクセスや問い合わせが増えても、それが施策によるものか判断しにくくなります。診断と同時に計測環境を整え、改善前の状態を記録しておくことが重要です。
AIO診断の具体的な進め方【6ステップ】

準備が整ったら、いよいよ5つの段階を順番に確認していきます。AIO診断の実施手順は、次の6ステップです。
- サイト構造・技術面を確認する
- 回答材料となるコンテンツの充足を確認する
- 複数のAIへ質問して認識内容を確認する
- 引用・推薦への採用状況を確認する
- AI経由の流入・問い合わせを計測する
- 結果を集計してボトルネックを特定する
この順で進めると、どの段階に課題があるかを漏れなく特定できます。
ステップ1.サイト構造・技術面を確認する
まず、AIや検索エンジンのクローラーが、サイト内の情報を取得できる状態になっているかを確認します。主な確認項目と確認方法は次のとおりです。
| 確認項目 | どこで確認できるか |
|---|---|
| robots.txtのクロール許可設定/llms.txtの設置状況(任意) | robots.txtとllms.txtを個別に確認 |
| 構造化データの実装状況 | Googleのリッチリザルトテストで確認 |
| 主要ページのタイトル・メタ情報 | ページのソース表示で確認 |
| インデックス状況 | Search Consoleの「インデックス作成」レポートで確認 |
| ページの表示速度 | PageSpeed Insightsで確認 |
なお、llms.txtは、LLMへサイト内の重要な情報を伝えやすくするために提案されているファイルです。robots.txtのようにクロールを許可・拒否する機能はなく、現時点では設置も必須ではありません。未設置を問題と判断せず、補助的な確認項目として扱いましょう。
URLを入力するだけで使える無料の自動診断ツールを利用し、最初にサイト全体の状況を確認する方法もあります。そのうえで、問題が見つかった項目を個別に調べると効率的です。
特に、クロールを拒否しているなど情報取得を妨げる設定があると、その後の診断結果にも影響します。大きな問題が見つかった場合は、先に修正してから次のステップへ進みましょう。
ステップ2.回答材料となるコンテンツの充足を確認する
次に、AIが自社について回答するために必要な情報が、Webサイト上に十分掲載されているかを確認します。事前に作成した正解データと各ページを照らし合わせ、必要な情報がどこに書かれているかを確認してください。
このとき、「記載されていない」「説明が曖昧」「複数ページに情報が分かれている」といった箇所を洗い出します。特に対象顧客や料金、実績などは、社内では共有されていてもWebサイトには十分書かれていないことがあります。
確認結果は、「明記あり」「一部あり」「なし」などの区分で記録すると比較しやすくなります。「項目・掲載URL・記載状況・メモ」を一覧にしておけば、後から改善が必要な箇所を確認する際にも使えます。
ステップ3.複数のAIへ質問して認識内容を確認する
続いて、事前に作成した質問リストをChatGPTなど複数のAIへ入力し、自社がどのように説明されるかを確認します。回答は後から比較できるよう、全文を保存しておきましょう。
実行する際は、過去の会話内容が回答に影響しないよう、原則として新しいチャットを使用します。あわせて、取得日時や使用したAI・モデル、Web検索の有無なども記録してください。
回答内容は、正解データと照らし合わせて「正しい」「情報が不足している」「誤っている」「他社と混同している」などに分類します。同じ質問を複数回実行すれば、繰り返し発生する問題なのか、一時的な回答の揺れなのかも判断しやすくなります。
ステップ4.引用・推薦への採用状況を確認する
次に、「おすすめの〇〇会社は?」「〇〇サービスを比較して」といった質問を行い、自社がAI回答の候補に入るかを確認します。あわせて、紹介される順番や理由、競合企業の扱われ方も記録しましょう。
引用元が表示される場合は、どの情報源が使われているかも確認します。自社サイトだけでなく、外部メディアや口コミサイトなど、AIが参考にしているページを把握することで、どこを改善すべきか考えやすくなります。
生成AIの回答は実行するたびに変わることがあるため、1回だけの結果で判断しないことも重要です。たとえば5回中3回自社が挙がった場合は、「言及率60%」のように回数を記録し、一定期間の傾向として評価します。
ステップ5.AI経由の流入・問い合わせを計測する
AI回答への露出状況を確認したら、実際にWebサイトへのアクセスや問い合わせにつながっているかを調べます。GA4などを使い、AIサービスからの流入数や流入先ページ、その後の行動を確認しましょう。
結果を見る際は、「どこまで成果につながっているか」を分けて考えることが重要です。AI回答には掲載されているもののアクセスが少ない場合は、紹介内容やリンクのされ方に課題がある可能性があります。
一方、アクセスはあるのに問い合わせにつながらない場合は、サイト内の導線や訴求内容を見直す必要があるでしょう。
ただし、AIサービスからのアクセスは参照元が正しく取得されない場合もあります。そのため、計測値だけをAI経由の流入全体と考えず、同じ条件で継続的に計測し、増減を見るようにしてください。
ステップ6.結果を集計して段階ごとのボトルネックを特定する
最後に、ステップ1~5で確認した内容を一覧にまとめ、どの段階に問題があるかを確認します。「段階・課題・根拠」をセットで整理すると、改善すべきポイントがわかりやすくなります。
| 段階 | 課題(記入例) | 根拠 |
|---|---|---|
| 発見 | 問題なし | 自動診断・Search Consoleの確認結果 |
| 回答材料の充足 | 料金の考え方が未掲載 | ステップ2の記録シート |
| 理解 | 対象顧客が誤って説明される | 回答ログ(取得日を明記) |
| 引用・推薦 | 比較質問で言及されない | 5回実行中0回言及の記録 |
| 流入・問い合わせ | AI経由の流入が伸びない | GA4の計測値 |
たとえば、「サイトは問題なく読み取られているのに、自社の説明内容が間違っている」「正しく理解されているものの、比較質問では候補に入らない」といった状態が考えられます。段階ごとに確認することで、問題がどこで起きているかを切り分けられます。
診断結果をまとめたら、課題の大きさや事業への影響をもとに改善の優先順位を決めます。AIO診断は結果を出して終わりではなく、具体的な施策につなげるために行うものです。
AIO診断の結果を活かすためのポイント

AIO診断は、結果を確認するだけでは十分ではありません。見つかった課題を改善し、その後の変化まで確認することで、初めて診断を活かせます。
- ボトルネックの段階に対応する改善策へ結び付ける
- 顧客の判断に影響する誤情報・不足情報から優先して修正する
- 改善後は同じ条件で再診断して変化を確認する
- 診断結果を社内で共有し公式情報の発信を統一する
- 定点観測の体制を作り継続的に運用する
一度にすべてを改善する必要はありません。診断で見つかった課題に優先順位を付け、改善と再診断を繰り返していくことが重要です。
ボトルネックの段階に対応する改善策へ結び付ける
診断で課題が見つかったら、その課題がどの段階で起きているかを確認し、対応する改善策を選びます。
| ボトルネックの段階 | 主な改善策 |
|---|---|
| 発見 | クロール許可設定・構造化データなど技術面の修正 |
| 回答材料の充足 | 不足情報の追記・ページの整理 |
| 理解 | 公式情報の整備・表記の統一 |
| 引用・推薦 | 引用されやすいコンテンツの強化・外部露出の拡大 |
| 流入・問い合わせ | 流入先ページの導線・CTAの改善 |
大切なのは、課題と関係のない施策から始めないことです。たとえば、AIがサイト内の情報を十分に取得できていない状態でコンテンツだけを増やしても、改善につながらない可能性があります。
まず「どの段階に問題があるのか」を確認し、その原因に合った施策から着手しましょう。
顧客の判断に影響する誤情報・不足情報から優先して修正する
複数の課題が見つかった場合は、見込み顧客の比較や問い合わせに大きく影響するものから対応します。料金や対象顧客、サービス内容などの誤りは、ユーザーの判断を左右する可能性があるため、内容の重要度が高ければ優先的に修正したほうがよいでしょう。
優先順位は、「顧客への影響」と「どの程度繰り返し表示されるか」の2つで考えると判断しやすくなります。
| 安定して出る | たまに出る | |
|---|---|---|
| 顧客への影響が大きい | 最優先で修正 | 早めに修正 |
| 顧客への影響が小さい | 余力があれば修正 | 経過観察 |
特に優先したいのは、何度診断しても繰り返し表示される重大な誤情報です。まず影響の大きい課題を絞り込み、順番に改善していきましょう。
改善後は同じ条件で再診断して変化を確認する
改善を行った後は、AIO診断をもう一度実施して結果が変わったかを確認します。その際は、できるだけ最初の診断と同じ条件で実施することが重要です。
使用するAIやモデル、質問文、実行回数などが変わると、施策による変化なのか、診断条件による違いなのか判断しにくくなります。初回診断時の条件を記録しておき、再診断でも同じ条件を使いましょう。
また、Webサイトを修正しても、すぐにAIの回答へ反映されるとは限りません。一定期間を空けて再診断し、初回の結果と比較します。変化が見られない場合は、原因を改めて確認し、別の改善方法を検討します。
診断結果を社内で共有し公式情報の発信を統一する
AIが参照する情報は、自社サイトだけとは限りません。プレスリリースや採用ページ、外部メディアなど、さまざまな場所に掲載された情報が回答に影響します。
そのため、診断で表記の違いや古い情報が見つかった場合は、Web担当者だけでなく、広報や営業などの関係者にも共有しましょう。企業名やサービス内容、強みなどの基本情報をそろえておくことで、媒体によって説明が異なる状態を防ぎやすくなります。
社内で共有するときは、実際のAI回答を見せる方法も有効です。「現在AIからどのように説明されているのか」を具体的に確認できれば、修正が必要な理由も伝わりやすくなります。
定点観測の体制を作り継続的に運用する
AIO診断は、一度実施すれば終わりというものではありません。生成AIの回答は、モデルの更新やWeb上の情報の変化によって変わるため、定期的に確認する必要があります。
継続する場合は、診断する頻度や担当者、使用する質問と記録方法をあらかじめ決めておくとスムーズな運用が可能です。たとえば月次や四半期ごとに同じ質問を実行し、前回からの変化を確認する方法があります。
診断対象や質問数が増え、手作業での確認が難しくなった場合は、専用ツールや外部の支援サービスを利用する方法も効果的です。自社の規模に合った方法で継続し、AI上での自社の扱われ方を定期的に確認していきましょう。
AIO診断する際の注意点

AIO診断は、結果の見方や進め方を誤ると、実際とは異なる評価をしてしまうことがあります。診断する際は、次の5点に注意しましょう。
- 一度の診断結果だけでAIの認識を断定しない
- スコアや言及回数の高低だけで良し悪しを判断しない
- 診断条件を途中で変えない
- AIの回答を直接修正・削除できるわけではないことを理解する
- URL入力型の無料診断だけで診断を完了とみなさない
あらかじめ把握しておくと、診断結果を正しく読み、判断ミスを避けられます。
一度の診断結果だけでAIの認識を断定しない
生成AIの回答は、同じ質問をしても毎回同じになるとは限りません。使用するAIやモデル、Web検索の有無、実行するタイミングなどによって内容が変わることがあります。実際に、ChatGPTを運営するOpenAIは、「AIの回答は決まりきったものではない」と回答しています。
| However, model behavior is inherently non-deterministic. 出典:OpenAI|Introducing Structured Outputs in the API |
そのため、1回自社が表示されなかっただけで「AIに認識されていない」と判断したり、1回正しく説明されたことを理由に「問題はない」と判断したりするのは避けましょう。
同じ質問を複数回実行し、複数のAIでも確認することで、繰り返し現れる傾向が見えてきます。単発の回答ではなく、一定回数の結果をもとに判断することが重要です。
スコアや言及回数の高低だけで良し悪しを判断しない
診断ツールのスコアが高かったり、AI回答への言及回数が多かったりしても、必ずしも良い状態とは限りません。自社が頻繁に紹介されていても、事業内容や料金などが誤って説明されている可能性があるためです。
スコアや言及回数は、課題を見つけるための目安として使いましょう。そのうえで、AIが実際にどのような内容を回答しているかを確認し、公式情報と照らし合わせて評価します。
また、診断ツールによってスコアの算出方法は異なります。異なるツールの点数をそのまま比較するのではなく、同じ条件・同じ方法で継続的に変化を見ることが大切です。
診断条件を途中で変えない
診断結果を比較する場合は、使用するAIやモデル、質問文などの条件をできるだけそろえます。途中で条件が変わると、結果の変化が改善施策によるものなのか、診断方法の違いによるものなのか判断できなくなるためです。
取得方法にも注意が必要です。ブラウザから手動で質問する場合と、APIや診断ツールを使って回答を取得する場合では、同じ質問でも結果が異なることがあります。
診断時には、使用したAIやモデル、質問文、取得方法、実行日などを記録しておきましょう。モデルの終了などで条件を変更せざるを得ない場合は、変更した時点を記録し、変更前後の結果を分けて評価します。
診断してもAIの回答を直接修正・削除できるわけではないことを理解する
AIO診断は、現在AIから自社がどのように扱われているかを確認するためのものです。診断を実施したからといって、AIの回答そのものを直接書き換えたり、誤った回答をすぐに削除したりできるわけではありません。
誤情報が見つかった場合は、自社サイトの情報を修正したり、不足しているコンテンツを追加したりして、AIが参照できる情報を整えていきます。必要に応じて、外部メディアなどに掲載されている情報の見直しも行います。
こうした改善がAI回答に反映されるまでの期間も一定ではありません。そのため、修正後すぐの結果だけで判断せず、一定期間を空けて再診断することが重要です。
URL入力型の無料診断だけで診断を完了とみなさない
URLを入力するだけで利用できる無料診断は、AIO診断を始める方法として便利です。ただし、多くの場合、確認できるのは構造化データやメタ情報、クロール設定など、サイトの技術的な状態が中心です。
そのため、無料診断の結果が良くても、AIが自社を正しく説明しているとは限りません。比較質問で自社が候補に挙がるか、情報源として引用されているか、AI経由のアクセスが発生しているかなどは別途確認する必要があります。
無料診断は、サイトの状態を確認する最初のチェックとして活用しましょう。そのうえで、実際のAI回答や引用・推薦、流入まで確認することで、AIO全体の課題を把握できます。
AIO診断は無料でできる?手動・ツール・支援会社の使い分け

AIO診断は、必ずしも専門会社へ依頼する必要はありません。確認したい範囲や質問数によっては、自社だけでも無料で始められます。
主な方法は、次の3つです。
| 比較項目 | 手動のセルフ診断 | 無料ツール・チェックリスト | 支援会社による診断 |
|---|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 無料 | 有料 |
| 主な確認範囲 | 理解/引用・推薦 | 発見/回答材料の充足 | 5段階全体・競合比較 |
| 向いている状況 | まず現状を知りたい | 技術面を短時間で確認したい | 分析・改善提案まで任せたい |
それぞれで確認できる範囲と向いている状況を押さえると、自社に合った始め方を選べます。
手動のセルフ診断|少数の質問で現状を無料確認したいとき
手動のセルフ診断は、ChatGPTなどの生成AIへ自社に関する質問を行い、回答内容を自分で確認する方法です。費用をかけずに始められるため、まずAIから自社がどのように見られているか知りたい場合に向いています。
たとえば、「〇〇はどんな会社ですか」「〇〇におすすめの会社は?」といった質問を複数のAIへ入力し、回答を記録します。その内容を公式情報と照らし合わせれば、説明の誤りや情報不足、比較時の言及状況などを確認できます。
ただし、質問数や対象AIが増えるほど、回答の取得や記録に時間がかかります。定期的な診断や複数の競合との比較まで行う場合は、手作業だけでは管理が難しくなるため、ツールや支援会社の利用も検討しましょう。
無料診断ツール・チェックリスト|技術面や準備状況を短時間で確認したいとき
無料の診断ツールやチェックリストは、AIO対策を始める前の簡易チェックに向いています。特にURLを入力して診断するタイプのツールでは、クロール設定や構造化データ、メタ情報など、サイトの技術面を確認できるものがあります。
チェックリストを使えば、会社情報やサービス内容、FAQ、実績など、AIが回答するために必要な情報がサイト上にそろっているかも確認できます。自社サイトの不足を短時間で洗い出したい場合に使いやすい方法です。
一方で、無料ツールだけでは、実際のAI回答で自社がどのように説明されているか、比較時に競合より選ばれているかまでは分からないことがあります。技術面の確認には無料ツールを使い、AI上での扱われ方は手動で質問するなど、組み合わせて利用するとよいでしょう。
支援会社による診断|競合比較や改善提案まで詳しく確認したいとき
支援会社によるAIO診断は、現状を確認するだけでなく、競合との差や改善すべきポイントまで詳しく分析したい場合に向いています。複数のAIや質問を使った調査に加え、回答内容の分析や競合比較、改善施策の提案まで依頼できる場合があります。
特に、複数のサービスを診断したい場合や質問数が多い場合、自社だけで継続的に調査するのが難しい場合には、外部へ依頼するメリットが大きくなります。
費用は、対象とするAIや質問数、競合比較の範囲などによって異なります。そのため、料金だけでなく「どこまで診断してもらえるか」を確認したうえで比較することが重要です。依頼前には、次の点を確認しておきましょう。
- どのAIや質問を使って診断するのか
- AIの回答内容を確認できる形で納品されるか
- 改善後の再診断まで含まれているか
- 診断結果をもとに具体的な改善策まで提案してもらえるか
無料相談や見積もりの際に同じ条件を各社へ伝えておけば、料金だけでなく診断内容の違いも比較しやすくなります。
おすすめのAIO対策会社を知りたい方は、AIO対策会社の選び方や比較ポイントを紹介した記事もあわせてご覧ください。AIO対策にかかる費用について詳しく知りたい方は、費用相場や料金の考え方を解説した記事も参考にしてください。
AIO対策会社おすすめ16選|支援範囲・費用・選び方を徹底比較
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AIO診断に関するよくある質問
ここでは、AIO診断を検討する際によくある疑問について回答します。LLMO診断との使い分けや実施頻度、対象とするAIなどを確認しておきましょう。
Q1.AIO診断とLLMO診断はどちらから始めればよいですか?
どこに課題があるかわからない場合は、まずAIO診断で全体を確認するのがおすすめです。そこでAIの「理解」に問題が見つかった場合は、LLMO診断で詳しく調べます。
すでにAI回答の誤情報など具体的な課題がわかっている場合は、LLMO診断から始めても問題ありません。
Q2.AIO診断はどのくらいの頻度で実施すべきですか?
決まった頻度はありませんが、月次や四半期ごとに確認すると変化を追いやすくなります。料金やサービス内容など重要な情報を変更した場合も、再診断するとよいでしょう。
毎回すべてを調べる必要はなく、普段は重要な質問に絞り、定期的に詳しい診断を行う方法でも十分です。
Q3.どのAIを対象に診断すればよいですか?
まずは、見込み顧客が利用する可能性の高いAIを2〜3種類選びましょう。最初から多くのAIを対象にすると、診断や記録の負担が大きくなります。
AIによって回答内容は異なるため、1つだけで判断せず、それぞれの結果を分けて確認することも重要です。
Q4.改善の結果はどのくらいの期間でAIの回答へ反映されますか?
AI回答へ反映されるまでの期間は一概にいえません。AIサービスの仕組みや参照する情報、更新のタイミングによって異なります。
修正直後の結果だけで判断せず、一定期間を空けながら同じ条件で再診断し、変化を確認しましょう。
Q5.SEO対策ができていればAIO診断は不要ですか?
SEO対策をしていても、AIO診断が不要になるわけではありません。検索順位が高くても、AI回答では自社が紹介されなかったり、誤った情報で説明されたりする場合があります。
SEOで整えたサイトやコンテンツを活かしつつ、AI上で自社がどう扱われているかをAIO診断で確認することが重要です。
AIO診断で自社のボトルネックを特定して改善につなげよう
AIO診断では、「発見」「回答材料の充足」「理解」「引用・推薦」「流入・問い合わせ」の5段階から、自社の課題がどこにあるかを確認します。
単にAI回答への露出を見るだけでなく、課題を特定して改善につなげることが目的です。
Lumiciteでは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを対象に、自社がどのように理解され、どのような質問で引用・推薦されているかを確認するAIO診断を実施しています。競合と比べて自社が出てこない質問や、誤って説明されている情報などを洗い出し、改善すべきポイントを明確にします。
「まずは自社の現状を知りたい」「何から対策すればよいかわからない」という方は、無料診断をご利用ください。診断結果をもとに、優先して取り組むべき施策についてもご案内します。
